とある女の子 5
「子供の頃から私自身にとって馴染みのあるこの七区界隈に自分たちも住まうということはごく自然の成り行きだった」と母のレティシアはいいます。
「このあたりは環境も良く、緑も多い。
私の仕事場にも近いし、近所に顔見知りの店なんかがたくさんあって散歩するのが楽しい。
パリでは珍しく、このあたりに限っては公立の幼稚園もとてもしっかりしているから教育面でも安心。
もっとも自分が通った私立の女子校にいずれはターシャもいれるつもりだけれどなぜってそこでは基本的な礼儀作法や他人に対する敬意の心のようなものをみっちりたたき込まれて、それを私はとても良かったと思っているから、おじいちゃんおばあちゃんが近くにいてしょっちゅう往き来があるような環境は子供たちにとって理想的だと思う」そういうわけで、ターシャはほぼ週末のたびに祖父母の家へおよばれして、そこでお昼ご飯やおやつをご馳走になるのだといいます。